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ピラティスムーブメントの紹介!フォームや姿勢・呼吸法も解説
公開日2025.3.27
ピラティスを始めたいけれど、どのような動きがあるか分からないという方も多いのではないでしょうか?本記事では、ピラティスの基本である呼吸法や立ち姿勢、基本フォームを解説したうえで、初心者でもやりやすいムーブメントを厳選して一覧で紹介します。
自宅で気軽にエクササイズを始めたい方や、ピラティスについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてください!
ピラティスの「ムーブメント」とは?
ピラティスの多くは脊椎に焦点を当てたムーブメントで構成
ピラティスのムーブメントは、背骨に意識を集中させることが特徴です。それは、背骨が体の中心であり、全身の動きを支える土台だからです。背骨を意識したエクササイズは、深層筋を鍛え、姿勢を整えるだけでなく、柔軟性と安定性を高め、疲労回復やストレス軽減にもつながります。 ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティス氏もこう語っています。「あなたが30歳でも背骨が硬ければ歳を取っている。あなたが60歳でも背骨が柔らかければまだ若い。」背骨を柔軟に保つことは、体の若さだけでなく、心身の健康にも直結します。
ピラティスの基本は胸式呼吸
リラックス時に一般的に行われるのは腹式呼吸ですが、ピラティスでは「胸式呼吸」を使用します。胸式呼吸は、横隔膜を活用しながら肋骨を横だけでなく後ろにも広げる呼吸法です。これにより骨盤底筋と連動し、腹筋を引き締めたまま深い呼吸ができるのが特徴です。 方法としては、背筋を伸ばし、鼻から息を吸いながら肋骨を横と後ろに均等に広げるイメージを持ちます。その後、口からため息をつくようにゆっくりと息を吐き、肋骨を元の位置に戻すことを意識しましょう。胸式呼吸を習得することで、動きながらも安定した呼吸が可能になり、ピラティスのエクササイズ効果を最大限に引き出せます。
ピラティスのムーブメント|初級編
ロールアップ
目的
腹筋を強化し、背骨の柔軟性と関節の滑らかな動きを高める。
手順
1 | 仰向けになり、腕を体の横に置き、肋骨がマットに触れる位置を保ちながら腕を頭方向に上げる。
2 | 吸いながら腕を天井に持ち上げ、内腿をつけて足首を背屈させ、腹筋を使って頭と上体をマットから離す。
3 | 吐きながら背骨のカーブを維持しつつ体幹をマットから剥がし、坐骨結節の上に座る。上体はカーブを保ち、大きなビーチボールを包むように手を足の方へ伸ばす。
4 | 吸いながらお尻を軽く締め、尾骨を内側に入れ込みつつ背骨のカーブを維持してゆっくりとロールダウンする。
5 | 吐きながらマットに完全に戻り、腕を頭の上に伸ばしてスタートポジションに戻る。
ポイント
背骨のカーブを常に意識し、動作を滑らかに行うこと。ハンドレッド
目的
体のウォームアップ 深い呼吸と共に、体幹の安定性向上と腹筋の強化
手順
1 | 仰向けで膝を立て、かかとと座骨結節を一直線に置く。骨盤と腰が安定した状態で行う。
2 | 吸って準備、吐いて膝と股関節を90度に曲げ両足を持ち上げる(テーブルトップポジション)
3 | 吸って腕を天井に伸ばし、吐いて腕を下ろし、頭と胸をマットから上げる(肩甲骨下角まで)。脚を斜め天井方向に伸ばす。
4 | 吸って5カウント腕をパルス、吐いてさらに5カウント。
5 | これを10セット繰り返す(計100パルス)。
ポイント
背骨のカーブを意識し、コアを安定させて動作を滑らかに行う。
スパインツイスト
目的
背骨の柔軟性向上、体幹の安定、脊柱回旋筋の強化を目指します。姿勢改善にも有効です。
手順
1 | 脚を揃え、前に伸ばします。背筋を伸ばし、腕を肩の高さで左右に開く。
2 | 背筋をまっすぐ保ち、吸いながら背骨を軸に上半身を片側に回旋します。
3 | 吐きながら中央に戻り、吸いながら反対に回旋。
4 | これを左右交互に繰り返します。
ポイント
骨盤を安定させ、背骨の回旋を意識し、肩をリラックス、腕の力を抜いて首を長く保つ。無理に回旋せず、コントロールと正確さを優先します。
ローリング・ライク・ア・ボール
目的
背骨の柔軟性と、コアの安定性を高める、体幹のコントロール力とバランス感覚を養うエクササイズ。リズミカルな動きで背骨の動きをスムーズにし、身体の調和を促します。
手順
1 | 膝を曲げて座り、両手ですねを持ち、足を床から浮かせます。
2 | 背骨をCカーブに丸め、目線は膝へ。
3 | 息を吸いながら骨盤を後ろに傾けて背中を丸めて転がり、肩甲骨の下角で止まります。
4 | 吐きながら腹筋を使い、元の位置に戻ります。
ポイント
腹筋を使い、背中を滑らかに丸めることを意識します。首や肩の力を抜いてリラックス。転がりすぎて頭が床につかないよう腹部でコントロールします。
スイミング
目的
背中や臀部、脚の筋力を強化し、体幹の安定性を高めるエクササイズ。胸椎・腰椎の伸展により、姿勢が改善され、背中の筋肉を活性化させることにより肩回りも強化される。
手順
1 | うつ伏せになり、手足をマット上に伸ばします。
2 | 腹筋を引き締め、体幹を安定させたまま、右腕と左脚を持ち上げます。
3 | 入れ替えるように左腕と右脚を持ち上げ、交互にリズミカルに動かします。
4 | 呼吸を整えながら、数セット繰り返します。
ポイント
腰が反らないよう腹筋で支えることを意識します。首は長く保ち、目線は床へ向けリラックス。手足を上げる高さよりも、体幹の安定性とスムーズな動きが重要です。
ピラティスのムーブメント|中級編
シングル・レッグ・ストレッチ
目的
腹筋の強化・骨盤の安定とコアコントロールの向上。股関節の柔軟性を促進、全身の動きの調和。
手順
1 | 仰向けになり、両膝を胸に引き寄せ、頭、首、肩を床から巻き上げる。
2 | 片脚を45度の角度で伸ばし、もう一方の膝を胸に引き寄せる。
3 | 息を吸いながら脚を交互に切り替え、両足の屈曲・伸展を交互に繰り返す。
4 | 両手は常に引き寄せた膝に添える。
ポイント
腹筋で体幹を支え、できるだけ動かさない。首や肩に力を入れすぎないように、脚は目線の高さ。 動きをスムーズに、コントロールしながら行う。
クリス・クロス
目的
腹筋群全体の強化、回旋動作での体幹の強化、骨盤の安定性とコアコントロールの向上。
手順
1 | 手を頭の後ろに置いて仰向けになり、頭・首・肩とカールアップしてマットから離す。
2 | 息を吐きながら片脚を曲げて胸の方へ寄せ、反対の脚は体から遠くに伸ばす。
3 | 胸の方に引き寄せた膝の方へ肋骨が届くように体幹をひねる。
4 | 息を吸いながらセンターを通る、吐きながら反対側も同様に繰り返す。
ポイント
骨盤を安定させる。肩が上がらないようにし、肘を広く保つ。動きを繰り返すたびに腹筋をより深く引き込む。
ロール・オーバー
目的
コアの筋力とコントロール力の強化。背骨の柔軟性とアーティキュレーションを高める。
手順
1 | 仰向けになり、脚を揃えて天井方向へ伸ばす。腕は体の横に置き、手のひらは下向きにする。
2 | 息を吐いてコアを働かせ準備し、吸いながら腹筋を使って尾骨から背骨を一つずつ持ち上げ、脚を頭の方向に倒して床と平行になるまで伸ばす。肩で立つような状態を保ち、首に負担がかからないよう注意する。
3 | 息を吸いながら脚を肩幅に開き、足首を背屈させる。
4 | 息を吐きながら脚を肩幅に保ち、上腕でマットを押しながらスムーズに背骨を一つずつロールダウンし、足は円を描く。吸いながら脚を揃え、股関節を屈曲して脚を天井に戻し、動作を繰り返す。
ポイント
コアを常に働かせ、背骨をコントロールしながら動作を行う。首や肩に力が入らないよう注意し、ロールダウン時は背骨のカーブをスムーズに描くことを意識する。
ソー
目的
背骨の回旋力と肩甲帯の可動性を向上させる。骨盤の安定性を高め、体幹のコントロールを強化する。
手順
1 | 坐骨の中央に体重を乗せて背筋を伸ばして座る。両脚を腰幅に広げてまっすぐ伸ばし、腕を横に広げる。
2 | 息を吸いながら体幹を左にねじり、右腕を左足の方へ伸ばす。
3 | 吐きながら腹筋を使い、体幹を丸めて右腕を左足の小指の方向に伸ばし、左腕を後方へ伸ばして手のひらを天井に向ける。
4 | 吸いながら坐骨の中央に体重を戻し、腕を横に開いてスタートポジションへ戻る。反対側も同様に繰り返す。
ポイント
坐骨を安定させて背筋を伸ばす。骨盤を引き上げる感覚を意識する。肩甲骨の広がりを保つ。
ティーザー
目的
インナーユニットと腹筋群、ヒップフレクサー(腸腰筋、大腿直筋など)、膝の伸筋(大腿四頭筋)の強化。コーディネーションとバランスの向上。
手順
1 | 仰向けで両足を伸ばし、両手を頭上に伸ばす。
2 | 息を吸って準備し、吐きながら両腕を天井に向けて弧を描くように伸ばし、頭・首・肩を順にロールアップ。両足を持ち上げ「V」字の姿勢でバランスを取る。両手は足の方へ伸ばす。
3 | 一番高い位置で息を吸い、吐きながら脊柱をアーティキュレートしてマットに戻し、足もコントロールして下す。
ポイント
腹筋群を収縮させながら、背骨と脚のコントロールを維持。体幹を長く伸ばし(軸のエロンゲーション)ながら、スムーズな動きを保つ。
ピラティスのムーブメント|おうちで実践編
ペルビック・クロック
いつやるといい?
長時間座った後や腰に違和感を覚えた時におすすめのエクササイズです。
目的
骨盤の柔軟性と安定性を高め、腰痛の予防や改善に効果的です。
手順
1 | 仰向けで膝を立て、リラックスした姿勢をとります。
2 | 骨盤を時計盤に見立てて、12時から6時、3時から9時の方向へ時計回りに動かします。
3 | 呼吸に合わせてゆっくりと動かし、骨盤周りの筋肉を意識しましょう。
ポイント
骨盤だけを動かし、余計な力を入れないこと
動作は滑らかに行い、背骨の安定を保ちます。
マーメイド
いつやるといい?
長時間座っている後や体側の緊張を感じた時、または背骨の柔軟性を高めたい時
目的
マーメイドは側屈を深め、脊柱の柔軟性を向上させるエクササイズです。体幹の強化とストレッチを同時に行い、腰や背中の緊張を和らげます。
手順
1 | 横座りし、片足を前に曲げ、もう片方を横に伸ばす。片方、もしくは両坐骨を床につける。手は横に置く。
2 | 息を吸いながら片腕を天井に伸ばし、吐きながら骨盤を動かさずに、脊柱を足から遠ざけるように体を横に倒してストレッチします。
3 | 吸いながら元の位置に戻り、反対側も同様に行います。
ポイント
骨盤を安定させ、背骨を長く保ち、無理に曲げすぎない。
チェスト・リフト
いつやるといい?
腹筋の強化や体幹の安定性を高めたい時
目的
腹筋を効果的に鍛え、体幹の安定性を向上させる。
手順
1 | 仰向けで膝を立て、手を頭の後ろに置きます。みぞおちはマットに沈めます。
2 | 息を吸いながら準備し、吐きながら腹筋を使って頭と肩甲骨を持ち上げ、みぞおちはマットに沈めます。
3 | 吸いながらポジションをキープし、吐きながらゆっくりとマットに戻ります。
ポイント
首や肩に力を入れないようにする。
背骨のカーブを保ちながら、動作をゆっくりと滑らかに行うこと。
サイド・トゥ・サイド
いつやるといい?
朝やストレッチの時、ピラティスのウォームアップやクールダウンに。
手順
1 | 仰向けになり、両膝を揃えて90度に曲げ、テーブルトップポジションにする。
2 | 背中はしっかりつけ、両腕は体側から45度程度開いて床の上に。
3 | 息を吸いながら両脚と体幹の下部を右側に回旋する。
4 | 息を吐きながら元に戻す。
5 | 両側、左右交互に繰り返す。
ポイント
両肩がマットから浮かないように保つ。
スイミング
いつやるといい?
猫背や姿勢の崩れがきになる時、体を目覚めさせたり、疲れをリセットする軽い運動として。
手順
1 | うつ伏せになり、両腕を肩幅でまっすつ前方に伸ばし、足は腰幅に開いて床に伸ばす。
2 | 顔(おでこ)は軽く床につけ、首と背中をリラックスさせる。
3 | 息を吸いながら、右腕と左脚を同時に持ち上げる。
4 | 腕と足を交互に動かしながら、スムーズに、泳ぐように手足を交互に動かす。
5 | 腕と脚を交互にリズムよく小刻みに動かす。
ポイント
手足を高く上げすぎず、滑らかに動作を行う。
体幹を安定させ、腰が反りすぎないよう注意する。
大切なことは自分にあったムーブメントでピラティスを行うこと
まとめ

この記事を書いたのは…
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Writer
奥畑 奈美
ピラティスコンプリヘンシブ資格/はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師師国家資格保有。
株式会社ZENPLACE、年間300本の講座を運営するアカデミー事業部にて、ピラティスやヨガ、ボディワークに関するセミナーの企画、運営に携わり多くの講師・インストラクターと交流。 ピラティスとwell-beingの普及に尽力、専門誌にも寄稿。幅広い知識で多方面から最新の健康情報を発信し続けています。
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